「緑健のトマト」

「緑健のトマト」

来月久々に緑健のトマトをお出ししようか思います。
このトマトが今のおいしいトマトが出てきたきっかけです。
およそ30年前に国立大の農学部を出た学者が作ったトマトです。
今盛んに言われている有機農法で作るのではなく、非常に厳しい環境下でトマトを
育てる方法です。
水も肥料もほとんど与えず、土も耕さず、気温も10℃前後に設定した環境をビニールハウスの中に
造り上げて、ハウスの周りをコンクリートで固めて水の浸入を防ぐといった徹底したやり方です。
無論成長も通常の野菜の2倍ほどの日数がかかります。
上記の様な環境がトマトの原産地アンデスの気候です。野菜はその野菜の原産地に近い環境下で育てると
その野菜の持つ潜在的な美味しさを十二分に発揮するという考え方に基づいています。
このような考え方から生まれたのが「原産地農法」です。
原産地農法で作られたトマトは本当に美味しいですよ。硬さはりんごを想像して下さい。
香りもトマト独特の青臭さがあり、酸味がきた後に甘さがきます。その甘さですが糖度12度です。
イチゴよりも甘いです。
このトマトが今は無き「万惣」という東神田にあった宮内庁御用達の果物店で販売されていました。
「万惣トマト」という名で。

この原産地農法の考え方によると野菜は独立栄養体で、野菜自体で栄養をとるので人間があえて
栄養を与える必要はないという事です。
私の経験からも有機農法で作られた野菜で美味しい物にぶつかったためしがないので、原産地農法の
考え方に賛同しているところです。
但し御多分にもれずこのようなやり方で作られた野菜は値段が高いです。
当店でもお客様にお出しする際は600~700円になります。