ピアノの弾き方

お久しぶりです。前回の話の続きです。
重力奏法でピアノを弾くと音に連続性が出てきて歌う様に弾けます。今はみかけませんが、豆腐屋のラッパの音を
想像して下さい。あの音も連続性がありますよね。これが指の交差で音を出すハイフィンガー奏法だと一音一音が
切れてしまい歌う様には引けないのです。また、この弾き方だとピアノから出る音が金属音に聴こえて心地良いとは
私には思えません。
20世紀初頭のピアニストで手の大きな人程重力奏法で引くので、音が弦楽器の音に近い音色で私には心地良く思えます。
例としては、ホロヴィッツ、ルービンシュタイン、リヒテル、ラフマニノフがあげられます。彼らはいずれもヴィルトゥオーソ
(超絶技巧の持ち主)でクラッシックの楽器演奏者では最高ランクに位置づけされます。ちなみに日本人では誰一人としていません。
ホロヴィッツ、彼の義理の父、イタリアの名指揮者トスカニーニが絶賛したジャズピアニストがアートテイタムです。
このジャズピアニストを超えるジャズピアニストは過去にも今現在もいません。唯一両手でピアノが弾けた人でした。他のジャズピアニストは右手だけでしかピアノが弾けず、左手はコードを押さえるだけです。
アートテイタムはクラッシックのピアニストになりたかったのですが、人種差別によりその希望は叶えられませんでした。
彼もまたピアノを重力奏法で引くので心地良い音色を奏でます。故に当店でも飲み屋のBGMとしては最適と考えたまに流します。