江戸のそば屋は酒が主役

江戸のそば屋は酒が主役です。そばは従の関係です。これは江戸時代そばを保存する冷蔵庫がなかったものですから、お客様の顔を見てからそばを打ち始めるという形でした。そばを打つ2~30分の間酒を呑んで待つのが当たり前になり、そば屋では酒の事をそば前といい、つまみは種物に使う具材をあてていました。
うなぎ屋も同じく、現在でもきちんとした店ではお客様の顔を見てからうなぎを捌きます。その間小一時間程を酒を
飲んで待つというのがうなぎ屋でも当たり前になります。
江戸の昔からそば屋とうなぎ屋は酒が旨くなければいけないと言われます。この二つの業種は酒をよく吟味します。
当店でも扱う日本酒は純米のみ、焼酎は乙類のみです。ビールも麦芽とホップで作られた物だけです。

日本人は舌が黒帯です。味に対して敏感なんです。と同時にイミテーションでもOKなところもあります。
ですから、日本酒でも醸造用アルコールや香料、甘味料が入った合成酒でもいいじゃないかといったいい加減な
ところもあります。この曖昧さが今日の日本酒の消費の減少を招いた原因です。
日本酒の話はまた明日書き込みます。