数十年ぶりに祖父の代のお客さんが来店しました。
そのお客さんがメニューを見て固まっていました。
「もう年を取っているから天ぷらは食べられない。」
こんな事を言ってました。
おそらく値段が想像以上に高かった事からくる
発言だと思います。
そのお客さんがお帰りになり、店の外で母と会って
話し込んでました。
母が後から久しぶりのお客さんだといって
懐かしんでました。
また、そのお客さんが以前はご飯ものやラーメンもやってたよね
と訊かれたので、もう時代が変わって店も息子の代になったから
違うんですよと答えたそうです。
う~ん、何十年ぶりかに来て店構えも変わり
店のあり様も変わったのに以前とは違うとは考えなかったのだろうか?
多分ご飯ものかセットものを食べに来たのだろうと思います。
そう、そば屋はいつまでたっても変わらず食堂だと思い込んでいるのです。
でもこれが流山の高齢者の考えなのかもしれません。
十年一日がごとく全く何事も変化してないと思っている。
生活も歩いていく範囲で済まし、外に出て食事をしたり
買い物をしたりしない。
いわゆるロストワールドの状態がここにはあります。
消極的な意味で多様性を許さないという事です。
外にでて活動をしないから自分たちが知らない店は
利用しない。
例え古くからある店でもその業態が変われば知らない店
体験をしたことがない店。
だから利用しない。
こういった高齢者が多いので専門店というか
新しい店は出店するけれどもすぐに撤退するという
現状があります。
こんな状況を少しでも打破したいが為
商工会議所は新しい住人を対象にした
まちゼミという事業を行っています。
この事業から新しい住人を市内の
個店に呼び込んで地元を盛り上げていきたいと
考えているのです。
地元江戸川台でまちゼミに参加しているのはウチだけ。
少しでもそば屋という業態を理解してもらいたいからです。
中々理解はしてもらえません。
7~8年前まで焼酎専門のバーが地元にあったのですが
ここのオーナーは都内の大手の服飾メーカーが経営する
飲食部のトップをやっていました。
ただこの店も2日連続でこんな店行った事がない
と言って、いい歳をした男が暴れて警察に連れていかれた
事件がありました。
この事件でこのオーナーはやる気をなくして
店を畳んでしまいました。
その時に「ここは多様性を認める土地柄ではない。」
と一言言ってました。
この店の事件は積極的な多様性のなさを体現している
事象です。
経験したことがないから暴れてつぶしてやれという行動です。
この土地はみんな一緒が良いという風潮があります。
この風潮を打ち破る行動をしていかなければ明日はないと私は考えます。