大正時代まで東京における天ぷらは上記の写真の真ん中、炒った胡麻から絞った油で揚げていた。その後昭和の初めに大阪から「花村」というお座敷天ぷらの店が上野に店を出して一気に都内の天ぷらは変わった。写真右の太白胡麻油を使用した天ぷらになった。白ごまをほとんど炒らずに絞った油で天ぷらを揚げるので驚くほど軽い。今までの天ぷらと全く違うので都内で人気を博し、東京中にお座敷天ぷらが広まった。いわゆる今の天ぷら専門店である。江戸前の天ぷら屋は閉店するか、端に追いやられる形となってしまった。「下り物」とはこれ程までに影響力が強いのである。江戸そばの店でもやはりこの流れにあがないきれず、天ぷらは太白の胡麻油で揚げることをお客さんから求められるようになる。ウチでも30年以上前からこの太白胡麻油で天ぷらを揚げている。軽く、しかも胸やけがしないとお客さんから好評をえている。天かすも全く違う食感である。唯一の難点はとんでもなく価格が高いという事である。


