もう36年程前ですけど、ホロヴィッツが初来日しました。
彼の演奏を聴いてまず驚いたのが指を真っ直ぐに伸ばして
弾いていたことです。
当時の日本では指を真っ直ぐにしてピアノを弾くなんてありえなかった。
そういう弾き方では音がきれいに出せないと教えられていました。
事実私もそのように習いました。
でもホロヴィッツの音は綺麗でした。
しかも弦楽器の様な音だった。
不思議でした。
何故あのような音が出せるのか?
兎に角考えました。
そこに今年、「ロシアピアニズム」という本が出版されて
その謎が解けたのです。
もう、日本のピアノ教育が最初から遅れているという事が最大の原因です。
100年前日本でピアノ教育がなされるようになった頃、
「ドイツ・オーストリア式ピアノ教育」でした。
その頃世界はロシアのピアノ教育が最先端で現在もそうです。
日本ではようやくここ数年ヤマハピアノ教室で
ロシアのピアノ教育が施されるようになってきました。
また、若手のピアニストがどんどんロシアに留学するようになり
音色の良い音を奏でるピアニストが誕生しています。
近いうちにショパンコンクールで優勝する方が出てくる可能性もあります。
このロシアピアニズムの話はまた詳しく数回に分けて書かせてもらいます。