ウチは生かえし

ウチは生かえし

そば屋では汁を作る際かえしといもの使用します。
かえしとは醤油と砂糖を合わせて甕でねかせた汁の素です。

このかえしで店の個性が決まります。
ウチは生かえしといって醤油に火をいれません。火を入れない事で醤油の香りが
際立ちます。そばは醤油の味が勝っていた方が美味しいので香りも強い方が
いいという考えからです。

もう一つ本かえしというものがあります。
これは醤油に火をいれて作るものです。火をいれることによって
香りが抑えられまろやかな味わいになります。


ウチは2種類のかえしを作っています。醤油の種類が薄口と濃口で作り
砂糖の量もかえます。
薄口は温かいそば用、濃口は冷たいそば用です。もちろんどちらも生返しです。
節も薄口はサバ節、濃口は鰹節です。

かえしは汁の素だけではなく、料理の味付けにも利用できます。
例えばウチの松風(和風のテリーヌ)に使用したり、煮込み料理に使用したりします。

だいたいのそば屋は1種類のかえしだけですが、ウチは2種類です。実は
もう1種類増やそうと思っています。
それは煮切り酒と醤油だけのかえしです。このかえしは北大路魯山人の
汁を作る際使用するかえしです。
まだ煮切り酒と醤油の割合が実験中で試作段階です。
なかなか受け入れられる味ではないので、ほんの少人数の方為だけに
試作を繰り返しています。