辛汁仕込中

辛汁を仕込んでいます。当店の辛汁は並木の藪そばの汁を基本に作っています。
並木をはじめ神田の藪そば、あるいは室町・南千住の砂場そばに行かれているお客様は汁が旨いと
おっしゃっていただけますが、そうでないお客様は辛すぎるとおっしゃいます。
そばは醤油の味が勝っていなければ旨くないので、醤油には火入れをしない生かえしを使用します。
私からすれば地元の味付けは砂糖を使いすぎています。甘すぎるのです。もっと砂糖・味醂を控えた方が
より都会的な味付けになるのにもったいないです。
私共のそば打ちの師匠・一茶庵の師匠は北大路魯山人です。魯山人のそば好きは有名で、その汁の辛さも
また有名でした。かえしは醤油と煮切り酒のみで作り、それに出汁を合わせるのですから、かなり醤油の味が
強く感じられたと思います。
私の目指す汁がまさに魯山人の汁です。現在当店の汁は酒・砂糖・味醂・醤油で作ったかえしで作っていますが、このうち味醂の量をかなり減らしています。並木の藪そばの丁度半分の量にまでなってます。
まずは味醂を使用しない辛汁を作り、それから砂糖を減らし最終的に酒・醤油・出汁の割合を調節して
すっきりとした、とんがった男の味にしたいです。