来店なさるお客様を見ていると、話に夢中になってそばを中々召し上がらない方がいらっしゃいます。
店側としてはヤキモキして見ています。丁度美味しい瞬間でお出ししているので素早く食べて欲しいのです。
手打ちそばは8~10割のそば粉が入っているので非常にのびるのが早いのです。
電子顕微鏡で見るとそば粉の分子は小麦粉の分子とは違って網目構造していないので水分がサッと中心まで
浸透してしまいます。ですから話をする前に召し上がって欲しいのです。
機械打ちの場合は粉と水を混ぜる段階から機械なのでそば粉が多いと繋がりません。
故に小麦粉を多く入れて繋げるのです。大体そば粉3割・小麦粉7割といった所です。こうなるとそばの色をした
うどんですのでのびるのが遅くなります。話に夢中になっても多少は大丈夫でしょう。
以前は当店も機械打ちでしたから上記の事が言えるのです。機械では粉と水は混ぜる事は出来ても
練ることはできません。練る事ができなければ粉と水を繋げる事はできません。
こういった事を手打ちそば屋が丁寧に説明してこなかったので、お客様の中には手打ちも機械打ちも
同じだろうと考えている方もいるのです。
当店ではこの誤解を解くために「まちゼミ」という商工会議所の事業に参加して、できるかぎり手打ちそばの
事を理解してもらおうと話をさせてもらってます。